袋帯 変わり花菱文 故・北村武資作

人間国宝【故:北村武資】氏による、重要無形文化財技術、経錦の技法を用いて織り上げられた、変わり花菱文の経錦袋帯です。

経錦とは、色糸を経糸に重層的に組むものをさし、経糸の浮き沈みで地と文様を織り出した錦のこと。
中国より渡来し、七~八世紀の飛鳥・奈良時代の遺品として法隆寺や正倉院にその作品を見る。
数色の色経糸をまとめて1本のように扱って地や文様に必要な色経糸を表に出し、残りの色経糸を裏側に沈めることによって表現される技法。
経糸の密度が上がることで表情できる自由度が減り、制約が大きくなるため歴史上では衰退した。

古代織の再現に留まらず、現代に生きる織を、織物の新しい世界に挑戦し続けた武資氏の経錦。

残念ながら本年3月31日に逝去されたためこれより先新たな作品の創作はございません。

北村 武資
1995年(平成7年)重要無形文化財保持者「羅」保持者に認定
2000年(平成12年)重要無形文化財保持者「経錦」保持者に認定
2022年(令和4年)3月31日没 享年86歳

15歳から西陣の機屋に働きに出て、基本となる技術を習得、1959年には初代・龍村平蔵の織の世界を継承する龍村美術織物に入社。

1960年に京都市北区紫野に小さな機場を借りて、独立後は『織とはなにか』を研究、高度な製織技術を
精力的に探求し、裂の復元や再現、織の技術の発展に尽力されていました。


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